連載コラム「谷山浩子 Favourite Things A to Z」

H Hon

先日、96年くらいに書いた原稿が出てきたので、読んでみたら、その中に「本屋が好きで、本を買うのが好きで、家には全く読んでいない本がたくさん積んである。これは何のために買ったんだろう。『熱帯魚の飼い方』とか『ギリシャ建築様式の本』とか……」と書いてあるんです。そういうことを書いたことも忘れていたし、そういう本を買ったことも完全に忘れていました(笑)。

昔はそれくらい本が好きで、毎日本屋に行って、毎日何かしらの本を買っていたんです。読むことよりも買うことが好きでした。図書館も大好きで、とにかく、本に囲まれていることが好きだったんです。そういうわけで、自分の部屋は本で足の踏み場のないほどになっていたんですが、あるときから、モノに対する執着がなくなって、家にあった本のほとんどを処分してしまったんです。といってもまだたくさんありますけどね……。いまは、これ以上増やさないようにしています。絶対に手元に残しておきたい本は買うけど、大半は電子書籍で済ませようと考えています。でも、電子書籍は、頭に残りにくいんですよね。人間の頭は、紙をめくって物を覚えるという習慣になっているんだということに気づきました。

子供の頃、よく読んでいたのは児童文学、偉人伝、世界の民話。それと、日本の古典、たとえば「雨月物語」や「宇治拾遺物語」などの小学生向け全集…難しい漢字が出てくるので総ルビだったんですが、それもたくさん読みました。あと忘れられないのが、小学館から出ていた「少年少女世界名作文学」です。

漫画もよく読んでいましたけど、私の中には、普通の本と漫画に垣根がなかったんです。時間さえあれば本を読んでいて、親から一番多く言われた小言が「ごはんの時に本を読むのをやめなさい」と「本を読んでないで早く寝なさい」でした(笑)。

先ほど、「本を買ったことを忘れてしまう」と言いましたけど、一度読んだことを忘れて同じ本を買うことはよくありました。しかも途中まで読んで気づく(笑)。あと、同じ本で3度本気で驚いたことがありました。アガサ・クリスティーの「ナイル殺人事件」は、高校生のときに最初に読んで真犯人に驚き、少し大人になって映画になったのを見てまた驚き、30過ぎてもう一度本を読んでまた驚いてしまいました(笑)。アガサ・クリスティーの巧妙なところは、トリックもですが、それ以上にドラマの作り方だと思います。ドラマにひきこまれて感情移入していって、ミスリードされてしまうことが多い。クリスティーのミステリー小説は好きで、探偵ものは全部読みました。

I iPad

iPad

iPod Touchを使っているんですが、元々はiPodが壊れたので代替品として買ったんです。だけどiPod Touch はiPhoneと同じアプリが使えるので、いつのまにかそっちにはまってしまって。いちばん小さい8ギガのiPod Touchだったので、容量が足りなくなって、結局音楽を消してしまったという……。何のために買ったのかよくわからなくなって(笑)。そのときによく使っていたアプリは、実用的なもの以外だとロケタッチとか、電子書籍リーダーなどです。

iPod Touchが楽しくて、ゲームとかいろいろ使っていたら、だんだん目が悪くなってきたんです。それでiPadにしようと思って、去年の10月に買いました。それまでAppleのPCに馴染みがなかったので、どうかな?と思っていたんですが、買ったら夢中になってしまって。以来、ほとんどPCの前に座ることがなくなりました。PCを使うのはフラッシュを使ったパズルをする時と、メディアプレーヤーが必要な時くらいですね。今は多少不自由でもiPadです。特にゲーム、原稿書き、読書で使うことが多いですね。iPadは使うのが楽なのもあるんですが、きっと、長い時間PCに座るということに飽きたんだと思います(笑)。今までは起きたらずっとPCの前にいましたから、その位置に飽きたんでしょうね(笑)。

iPadを買ってからというもの、私の行動パターンはかなり変わりました。